オガール

About Usオガールプロジェクトとは

オガール娘。

2012.03.12

新しい命

大船渡市に住む私の友人のおなかの中には、今、小さな命が宿っています。
彼女を知るだれもが、彼女の言葉と仕草、笑顔に癒される―、
おなかの子はきっと、彼女に似て清らかで優しい心を持って生れてくるのでしょう。

この震災を乗り越え、彼女は今、「母」になろうとしています。
友人を、心から誇らしく思います。

新しく、生まれくる命がある。
だからこそ丁寧に、大切に、まちをつくり、育てていきたい。
同じ志を持ち学生時代を過ごした私たちには、同じ想いがあります。

住む場所があり、産業があり、働く場所があり、食べるものがあり、そして家族がいる―
当り前のようで、尊ぶべきこのことを
東北の地で、岩手というこのまちで、未来永劫受け継がれてほしい・・
同じ岩手の中で、オガールがその一端を少しでも担っていけたら・・と強く願っています。

〔担当:の〕

2012.03.09

高木検査 -後編-

高木検査の際、樹木を見るポイントをオンサイト計画設計事務所の原さんに伺いました。

大きなポイントは

① 木の高さ
② 幹周 (幹の周長・・・地上から1.2mのことろを測るそうです)
③ 葉張り (樹木全体の左右の大きさ)

の3つということで、これらに重点を置きながら
一つひとつの樹木と正面から向き合い、検査する原さん。

樹木の高さを確認する原さん

この“正面”も重要なポイントで、日が当たる方が育ちやすく、こちらを木の「表」と呼び
植樹する際には表側を人が一番見る方向へ向け、樹木をより美しく見せるのだと言います。
また、植樹するには、支柱が必ず必要となりますが
オンサイト計画設計事務所では、さらに美しく見せるため主に地下支柱を用いているのだそうです。

葉張りを測る様子

葉張りを測る様子

「緑の大通り」では、植樹する数が限られているため
本数が少なくても林のように見せるため
葉張りやそれぞれのバランスを大切にしながら樹木が選定されていました。

この木のふもとから紫波の空を見上げる日が楽しみです

現在工事が進められている「緑の大通り」“東広場”では
春には、紫波中央駅側に桜の花が咲き、
夏には、太陽に照らされブナが美しく緑色に輝きます。
さらに、モミジ、ナナカマドなど紅葉がきれいな木々によって
“西広場”は様々な色で彩られることになるといいます。楽しみですね♪

「同じ樹種でも、キャラクター(性格)が異なりますね。」 と原さん。
この原さんの言葉に、誰かをを待ちわびているようなあたたかな気持ちになり、
「緑の大通り」でこの木々に逢える日が、より一層待ち遠しくなりました。

〔担当:の〕

2012.03.08

高木検査 -前編-

先日、「緑の大通り」の設計を担当するオンサイト計画設計事務所の原さん
紫波町都市計画課の佐藤さん、佐々木さんに同行し
「緑の大通り」の“高木検査”の取材に行って来ました!

今回の“高木検査”は、「緑の大通り」に実際に植樹する木を検査し選定するもので
大変貴重な機会に同行させて頂きました。

車の消毒をしてから農場に入ます

向かったのは、雫石町の<小岩井農場>。
小岩井農牧株式会社環境緑化部の佐藤浩樹さんが対応して下さいました。

さあ、出発!(手前を歩くのが小岩井農牧の佐藤さん)

小岩井農場は、40ヘクタールの敷地(植木部分)に、200種類、20万本もの樹木があり
今回は、この中から「緑の大通り」に植樹するオオヤマザクラ、ブナ、ハルニレ・・
など6種類、44本を選定しました。

予め選定されていた木を順番に検査

一面銀世界の中をどんどんとゆきます

雪深い中での検査

詳しい検査の様子へとつづく・・!

〔担当:の〕

2012.03.07

紫波マルシェ協議会 生産者部会設立委員会

2月29日(水)、「紫波マルシェ協議会 生産者部会設立委員会」を開催いたしました。

委員会の様子

“生産者部会”は、産直「紫波マルシェ」の下部組織として
各生産者への連絡や出荷調整、イベント、研修会、消費者との交流などの運営支援を担って頂くものであり
各地区から地区役員1名合計9名の皆さまと、弊社が事務局となり進めていきます。

設立委員会では、部会役員の任命として委嘱状を交付いたしました。
「紫波マルシェ」オープンから2年間、よろしくお願いいたします。

委嘱状の交付

その後は、<七久保食堂>で懇親会!
現実を見据えながらも大きな夢を追求し続ける想いこそが
紫波の農業の未来を切り開いていくのだと確信した夜でした。

懇親会にて、出発の記念撮影

「紫波マルシェ」、新たなスタートを切りました!

〔担当:の〕

2012.03.06

ひなまんじゅう

2月20日~3月4日まで限定販売された小昼ハウスの「ひなまんじゅう」♪

ひなまんじゅう

<小昼ハウス>の皆さんから頂戴し、大変美味しく頂きました^^
本当にありがとうございました。

毎年この季節に大人気の商品ということですが
今年は、桜の季節にも「さくらまんじゅう」と名付けて販売予定とのことです。
淡いピンク色と緑色が、あたたかな春を感じさせてくれますね♪

今回は一日300個のペースで手作りされ、14日間で4,000個ほど販売したそうです!
生まれたての赤ちゃんのように柔らかく、トゥルンっとした生地をまとった、可愛らしいおまんじゅう。
中には勿論、特性の餡がぎっしり詰まっています!

我が家では「はなまんじゅう」と呼んでおり、天国の祖母の思い出の味です。
家族で小昼ハウスのひなまんじゅうを頂きながら、懐かしい色合いと風味に感動し
贈り物を届けてもらったような、あたたかな気持ちに包まれた雛祭りとなりました。

皆さんも是非、桜の季節に味わってみてくださいね♪

<小昼ハウス>
住所 紫波郡紫波町高水寺田中68
TEL  019-672-6080
営業時間 9:30~16:00
定休日  無休 (年末年始休業)

〔担当:の〕

2012.03.05

紫波のひなまつり

3月2日(金)~4日(日)、日詰商店街で「紫波のひなまつり」が開催され、取材に伺わせて頂きました。

しゃ・べーるさんのお話を聞きながら・・

日詰商店街の「平井邸」には、艶やかで美しいさまざまなひな人形がところ狭しと展示され
紫波町観光ボランティアしゃ・べーるさんから「平井邸」の歴史やひな人形についてのお話を伺いながら
特別な空間の中で、日詰の歴史と文化を肌で感じさせて頂きました。

つるしびな

いつかわたしも・・♪

美しいひな人形が展示された平井邸

今年は、普段は見ることのできない「来迎寺」の秘宝も公開され
大変貴重な機会に、多くの方が訪れている様子でした。

来迎寺の秘宝公開

日詰の歴史の深さと、それを愛し守り続ける方々の想いを改めて感じた特別な時間でした。

〔担当:の〕

2012.03.03

町内産木材とオガールプラザ

平成13年7月19日に、町内2番目のNPO法人として生まれた「紫波みらい研究所」が設立10周年を迎え、記念誌を発行することとしたそうで、その寄稿依頼をいただきました。
そのお陰で10年以上前の、少なからず関わりがあったこれらのことを振り返る機会がいただけたようです。

紫波みらい研究所は、平成12年6月2日から4日にかけて紫波町で行われた「町制施行45周年記念、知ろう・話そう・行動しよう、環境新世紀イベント」で発せられた「未来宣言」の中で設立することが表明されたもので、紫波町の「循環型のまちづくり」のけん引役としての役割が期待されました。

平成11年7月26日に紫波町が策定した「紫波町資源循環推進計画」が、現在に至る紫波町の基本政策の一つである循環型まちづくりの起源となるものです。そして上記の環境新世紀イベントと未来宣言が、そのスタートアップでした。 

昨年7月23日に行われた紫波みらい研究所主催の第23回環境探検隊の様子。町内片寄地区で開催されました。環境探検隊は同研究所が設立されて以来、欠かさず継続されている事業の一つです。写真は同研究所から提供いただきました

何事によらず、特に役所はそうですが、前例のないことや先進的なこと、創造的なことに対して慎重であることが多いように思います。
急ぐことなく十分に検討し、リスクの少ないように取り組むべきである、ということがその理由でしょうし、間違いではありません。
一方では、推進する役割の側でも試行錯誤と苦労はつきものです。 
紫波みらい研究所も先例のない事業展開の推進に苦労されたと思います。
10年を契機として一層の、組織と活動の飛躍を期待いたします。

あわせてみると、循環型のまちづくりも13年目を迎えていることになります。
有機資源・無機資源・森林資源・世代間・町内外(交流)・経済・技術(伝承)の各循環を協働で進めて環境と福祉のまちづくりを行うこと、と言えるでしょうか。取り組み以来、「循環型まちづくり条例」(平成13年6月15日制定)の主旨に沿って町民、市民がそれぞれの役割を認識し、責務を果たしてきており、このまちづくりの成果として結実してきていると感じています。

オガールプロジェクトの象徴的施設とも言える官民複合施設の「オガールプラザ」については、先ごろフォーラムと現場見学会を開催しました。
その際にも話があったかと思いますが、この事業にあたっては、循環型のまちづくりの主旨に沿うような取り組みを行っています。  

建築中のオガールプラザ内部。町内産木材、地域産木材を100%活用しています。これら構造材は遠野市の第三セクター「遠野グルーラム」が製造を担当しました

経済の循環では町内の人材、企業などが多く参加し、より多くの経済効果が発揮されるよう意を用いています。
技術の循環(在来工法の伝承)では工法の工夫と町内企業の技術者の参加があります。
森林資源循環として、100%、町内産木材や周辺地域産材を活用しています。
スギの集成材である柱のほか屋根・壁・床の合板は町内産、計250㎥を使用しています。梁に使っているカラマツなどの地域産材を合わせると846㎥の木造施設となっています。
素材換算すると約で2,100㎥、皆伐面積にして約7haに相当するほどです。

循環型のまちづくりや公民連携によるまちづくりの思いが込められたオガールプラザは、6月オープンを目指して工事が急ピッチで進められています。 

〔担当;G〕 

2012.03.02

オガール現場見学会-後編-

オガール現場見学会、続編です!

中央棟2階の見学をする参加者の皆さま。
大空間の中で天を見上げ、想いを馳せている様子でした。

中央棟2階を見学する様子

親子連れの方にもたくさんご参加頂きました

オガール地区見学後は、日詰商店街の「平井邸」を見学させて頂きました。

平井邸

平井様のご案内で見学させて頂きました

「オガールフォーラム」では紫波総合高校様、平井邸様に会場提供のご協力を頂き
大変貴重な機会を頂きました。ありがとうございました。

また、前日まで大雪に見舞われたオガール地区を
前日の夜11時から除雪作業を行って下さいました紫波町建設部土木課、都市計画課の皆さま
本当にありがとうございました。

ご参加頂きました皆さまにも、改めて御礼申し上げます。

このご縁が、「オガールプラザ」オープン後
オガール地区からまち全体へ、そして全国へと、つながっていきますように。

〔担当:の〕

2012.03.01

シアトル通信

27日からシアトルに来ております。

今回のミッションは、オガールプラザにテナントとして入居していただく、Macchinesti SHIWA
のデザイン確認と、調度品の調達サポートです。
その他にも、ノードストローム副社長面会、設計会社訪問など、エキサイティングなツアーです。

到着早々、Macchinestiを経営されていますシアトル在住のMr.ツスージと、今回のカフェの設計者伊藤朱子さん、カフェオーナー、Macchinesti SHIWAでバリスタとして活躍するお二人と合流しました。

写真は、バリスタ(ニックネーム:シュガーズ)が、本場シアトルのカフェでトレーニングしている様子です。
トレーニング場所として提供してくれたのは、私の友人であるジェームス・アロウド氏。ツスージさんも、ジェームスさんもシュガーズが淹れたラテを絶賛。
本場シアトルでも認められたバリスタが立つMacchinesti SHIWA、どうぞお楽しみに!

ツスージさんとシュガーズ

2012.02.29

オガール現場見学会-前編-

皆さんのご参加、ご協力のもと、大盛況となりました
「オガールフォーラム」午後の部の“オガール現場見学会”!

その様子をご紹介したいと思います!

150名以上の方々にお集まり頂きました!

人数の都合上、2グループに分かれて見学しました

アーケードから中央棟1階を伺う様子

写真右手側が「紫波町図書館」閉架書庫となります

前日の大雪を感じさせないほどの恵まれたお天気の中無事に開催することができ
近隣住民の皆さま、産直「紫波マルシェ」の会員の皆さま、そして町外からも合わせて
150名以上の多くの皆さまにご参加頂きました。本当にありがとうございました!

引き続き、現場見学会の様子をご紹介いたします!

〔担当:の〕

2012.02.28

オガールプロジェクトの意義と価値

「オガールフォーラム」午前の部では、紫波町と弊社から
プロジェクトおよびオガールプラザの概要について説明を申し上げた後
オガールデザイン会議4名のデザイナーの皆さまから
「オガールプロジェクトの意義と価値」と題してパネルディスカッション形式でお話頂きました。

オガールプラザ概要説明

まずは、都市再生プロデューサーでオガールデザイン会議委員長の清水義次様から
「オガール地区デザインガイドライン」のあり方やテーマなどについてご説明頂き
その後、各デザイナーの皆さまからプロジェクトへの関わり方、想いなどをお話頂きました。

「オガールプラザ」設計の松永さん

建築家で「オガールプラザ」設計者の松永安光さんからは
「オガールプラザ」が、デザインガイドライン適用のモデルケースであることや
地元の資材と技術を活用し、日本の伝統的な手法で木造建築を作ることの意義について
紫波の風土や景観との出逢いからお話頂きました。

オガールのロゴマークについて説明する佐藤さん

グラフィックデザイナーでオガールプロジェクトのインフォメーションデザインを担当する佐藤直樹さんからは
オガールのロゴマークの設計に込められた想いとその意義についてお話頂き
また、紫波町図書館や紫波マルシェのロゴマーク、そして町内のインフォメーションデザインなど
今後の展開についても触れて頂きました。

「緑の大通り」設計の長谷川さん

ランドスケープアーキテクトで「緑の大通り」の設計者である長谷川浩己さんからは
建物と広場の一体的活用が、行為のバリエーションを増やすことや
今までになかった形の場所になり様々な活動を支えることになること
そして、オガール地区から面としての広がりがまち全体をつなぐことになるなど
ランドスケープの意義についてお話頂きました。

日本を代表するデザイナーの皆さんから各分野の意義について紫波を舞台にお話頂くことが
今まさに、オガールプロジェクトの価値をさらに高めることにつながっていると
改めて実感した、貴重な時間となりました。

〔担当:の〕

2012.02.27

「オガールフォーラム」、ありがとうございました!

昨日、紫波中央駅前を舞台とし、皆さまのご参加、ご協力のもと
「オガールフォーラム」を無事に開催することができました。
この場をお借りし、心より御礼申し上げます。

午前、午後の部を合わせ延べ300名近くの皆さまにご来場頂きましたことに深く感謝しますとともに
「オガールプロジェクトの意義と価値」について
言葉や空間を通して、少しでも感じて頂けていれば幸いです。

パネルディスカッションの様子(オガール息子。撮影)

フォーラムの様子は、数回に分けて当ブログで紹介させて頂きますので
ご参加頂けなかった皆さまにも、是非ご覧頂ければと思います。

繰り返しとなりますが、ご協力いただきました多くの皆さま、本当にありがとうございました!
今後もオガールプロジェクトをよろしくお願いいたします。

〔担当:の〕

2012.02.24

オガールフォーラム

いよいよ明後日に迫った「オガールフォーラム」。

当日、パネルディスカッションでお話頂くオガールデザイン会議4名の皆さまの言葉を
誠に勝手ながら、今週のブログでご紹介させて頂きました。
是非、実際に会場にて皆さまの心と体で
「オガールプロジェクトの意義と価値」を感じとって頂ければ幸いです。

オガール地区模型

ご来場の皆さま(限定200名)には
“オガールプロジェクト”のコンセプトブックをお渡ししたいと思います。
オガール息子。と娘。が、一つひとつ、感謝の想いを込めて作らせて頂きました。
どうか、皆さまのお手元に届きますように。

オガールコンセプトブック

それでは26日(日)、紫波でお待ちしています!

オガールフォーラムのご案内

〔担当:の〕

2012.02.23

揺るぎない一歩

オガールのプロジェクトアドバイザーである株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役の清水義次さんは
3331 Arts Chiyoda代表を務められてる他、現代版家守業の実践と啓蒙に注力され
都市再生プロデューサーとして、全国各地でビジネスモデルの構築に挑まれています。

「幸せを感じる生き方を考えると、紫波はその魅力に溢れている。
紫波は、将来、自分の移り住む場所の絶好の候補地である。」
と、紫波の暮らしの豊かさについて、いつもお話下さる清水さん。

農村部を含めた紫波全体の積極的なホスピタリティの本質を持ち続けながら
都市的洗練をオガールや中心部が担うことで、紫波は世界に誇るまちになる―、
そんな想いを込めながら、紫波のまちづくりに携わり続けて下さっています。

これからの紫波においては、歴史性と新しい情報を出すことが大切であり
その際に、「歴史のDNA」が大変重要になるといいます。

前回来町頂いた際には、
「中心部を線ではなく面で捉え、リノベーションや保存再生しながら新しいものをつくり
今あるものを生かしながら、今の形をどう表現していくかについて
少しずつ考え、動き始めれば、必ず5年後にはまちに変化が現れる。」ともおっしゃって頂きました。

そのゆるぎない一歩を踏み出す契機となるのが今回の「オガールフォーラム」であり
客観的に紫波を感じて下さっているデザイン会議4名の皆さんのお話を伺うことで
このまちに暮らす誇りを、改めて実感する機会となるのではないかとも思います。

また、これから紫波を知って下さる方、何らかの形で携わって下さる方にとっても
(20日(月)のブログでご紹介した長谷川浩己さんの著書『つくること、つくらないこと』では“準市民”と表現されていました)
紫波を末永く愛して頂けるきっかけとなれば嬉しく思います。
是非、26日「オガールフォーラム」へご来場下さいませ。

〔担当:の〕

2012.02.22

世界の建築・都市を知る建築家

官民複合施設「オガールプラザ」の設計を担当する株式会社近代建築研究所。
その代表取締役を務められているのが松永安光さんです。

松永先生にはじめてお逢いした日のことを、今でもはっきりと覚えています。
社会人になったばかりの頃、東京でのオガール・デザイン会議に参加するため
㈱アフタヌーンソサエティの事務所へ伺ったときでした。
緊張している私に、「あなたがオガール娘。ですね、はじめまして。」
と、恐縮ながら松永先生から声をかけて下さったのです。その嬉しさを忘れられずにいます。

建築を志す人ならば誰もが尊敬する、世界の建築・都市を知る建築家でありながら
どんなときも、誰に対しても丁寧に、笑顔で話しかけて下さる松永先生。
松永先生の“建築”そして“紫波”へのあたたかく、柔らかな優しい想いと情熱が
「オガールプラザ」マンサード屋根の美しい輪郭を描き出しているように思います。

「日本の古典的な建築は、細い材料を使い
大工さんの技によって保たれてきた。」と松永先生はおっしゃいます。

細い柱や梁をボルトでしめるのではく、紫波の歴史的な建築物である「平井邸」のように
大工さんの技で上手に組み、メンテナンスしながら長く使い続けていくことを出発点とし
それを地元の資材、地元の人材を積極的に活用して建設する「オガールプラザ」は
これからの建築の在り方として大変注目されており
今年1月に行われた構造の関係者による建方見学会では
全国から約150名もの方々にお集まり頂くなど、オープンに向けてさらなる期待が高まっています。

「緑の大通り」を介す4棟の建物の先陣を切る「オガールプラザ」の設計者として
オープン後もオガール地区全体、そして紫波を、末永く見守り続けて下されば嬉しく思います。

26日(日)午後には、「オガールプラザ」の現場見学会を開催いたします。
設計者、施工者の皆さんと共に現場を歩きながら
今しか見ることのできない美しく大きな木造建築を、心に焼き付けてみませんか。

〔担当:の〕

2012.02.21

先端をゆく誇り

今日、生まれて初めてタバコを購入しました。
あまりに緊張しすぎて、まるで子供のおつかいのようだったと思いますが
タバコ、というだけではなく、なにか特別な感情の中の体験でした。

オガールプロジェクトのロゴマークをはじめとしたグラフィックデザインを手掛ける
ASYL(株式会社アジール)がパッケージデザインされた「セブンスター」です。

昨年10月、株式会社アジール代表取締役の佐藤直樹さんに来町頂いた際、
「デザイン」に纏わる様々なお話を伺いました。その一つをご紹介させて頂きます。

「パッケージにはあらゆる人の視線が集まるが、セブンスターを好きな人は
何十年にもわたって刷り込まれた体験を基にしたイメージを持っている。
現在のデザインについても、体験を重ね合わせているので、特に不満がない。
そういう人は、デザインの変更をする場合、何をやっても否定的になり、流動が起こらない。
一方で、タバコ愛好者は、味で吸っていないという例がある。
マールボロ(Marlboro)が最高だという人に別のタバコを吸わせ
マールボロだと言って吸ってもらうと美味いと言い、マールボロだと言わないで吸ってもらうと批判をする。」
このように、人は、イメージ込みでものを受け入れるのだといいます。

まちを観察すると、決して親切とは言えない看板やサインが点在していることがあります。
しかし、佐藤さんはこう話します。
「たとえ今見てよくわからないものであったとしても、必ず理由があってそうなっているはずである。
けれど、今から未来に対して、理由をわからなくしておく必要はない。」

「デザイン」とは未来に対しての行為であり、時間をかけて取り組んでいくこと
とおっしゃっているように感じました。
5年後、10年後、紫波はどのようなまちになっているのでしょう。
26日(日)、デザインが紫波の未来に込めるメッセージを、一緒に感じてみませんか。

〔担当:の〕

2012.02.20

『つくること、つくらないこと』

週末に、『つくること、つくらないこと』という著書を拝読しました。

オガール地区“緑の大通り”の設計者であるランドスケープアーキテクト
有限会社オンサイト計画設計事務所の代表取締役長谷川浩己さんが編著者を務められた作品です。

4棟の建物を介して一つの場所になる-緑の大通り-

昨年2月、紫波中央駅待合施設で開催した「オガール大縁会」で長谷川さんは
「“緑の大通り”は、4棟の建物に挟まれた中庭だと思っていただければと思います。
独立して存在しているのではなく、4棟の建物を介して一つの場所になるというイメージです。
その際に、建物の中では支えきれない様々な活動が外に出てくる・・いつ行っても人がいる
そんな場所になってくれればいいな、というのがひとつの思いです。」 と語って下さいました。

“緑の大通り”の工事もオガールプラザのオープンに向けて着々と進行する中
26日(日)に開催する 「オガールフォーラム」では、長谷川さんのお話を直接伺うことができます。

“緑の大通り”でこれから起こるたくさんの楽しい出来事を、一緒に想像してみませんか?

〔担当:の〕

2012.02.18

農業活性化交流会から

2月14日、午後から紫波町農林公社主催の「紫波町農業活性化交流会」が約200名の参加の下に開催され、弊社からも2名参加して参りました。
農業関係者が集ったこの会には、紫波町産の農産物を扱う「紫波マルシェ」の開設者の立場から参加させていただいたものです。

交流会は、基調講演と農業関連の個人、団体の自己紹介を兼ねた発表の2部構成でした。
弊社も発表10者の内の一人として会社概要と紫波マルシェ運営者となった経緯などについて、短い時間でしたが話させていただきました。

基調講演は「明るい未来のために いま気づきやるべきこと」と題して㈲ウィルビー代表取締役の志村尚一氏が行いました。
1時間半弱の講演時間は同氏にとっては短く、意を尽くせないとの様子がありましたが、有用な多くのことを話して下さいました。
「地域の一人ひとり、個人だけの力では限界がある。協働(コラボレーション)して互いの力を出し合い、相乗効果を発揮して物事を成し遂げて行くべきである。それはまた繋がりある農村社会の良さを生み、次への活力となるのではないか」といった内容のように拝聴しました。

交流会での発表の様子。写真は紫波町広報「紫波ネット」から借用いたしました

 紫波町が町づくりの目標の一つとして、循環型のまちづくりに包含される協働のまちづくりを掲げてから相当の年数が経過し、相応の効果もあげてきていることは、昨年1月のこのコーナーで紹介しているところです。しかし、協働は言うは易く行うは難し、でなかなか簡単ではありません。
特にも、何か事を興すこととなると難しくなりますし、ましてや事業化と言ったら困難さは倍加するのではないでしょうか。
なおのこと、1農家が6次産業化に取り組むためには並大抵では成し得ません。なるが故に先の協働の力が必要、となるわけですが…。

農業者の皆さんの力を結集して6次産業化を進めることは、喫緊のテーマとされていますが、具体の成果は「今後に期待」のレベルのように感じています。
間もなく完成の町立図書館は、特にも力を入れたい分野としてビジネス(農業)支援を掲げています。その面での支援はそれとして、機関、団体など一定の組織による総合的な支援が求められていると思います。
もう既に取り組まれているのかもしれませんが…。

先の志村氏の講演の中にも、加工品は作ればよいものではなくて売るものである、との至極当然の話もあったのですが、商品化への支援、製造技術支援、販売支援という6次化をパッケージ化したものが必要で、更に資金支援を付して事業化を促すことが求められていると思います。
ここまでは支援しますが後は他からの支援を受けて下さい、といった形では途中で頓挫する、あるいは、スピードが落ちたりなどの支障が出てくるでしょう。当事者にとっては他人事でないので自分の努力と自己責任は必要ですが、離陸が容易であれば巡航高度に達するのも早いに違いありません。
組織力を有した立場をもって、川上から川下までの総合的支援はきっと大きな力になるでしょう。

紫波マルシェを開設する我が社にとっては、当面は安定的な運営を目指すことが第一です。
しかし、将来的には販売者だけの役割ではなく、農産物の6次化も含めて総合的な農家支援の役割を果たしていけたらよい、と交流会に参加して感じた次第です。

〔担当;G〕

2012.02.17

マンサード屋根-後編-

「オガールプラザ」マンサード屋根のお話、後編です。
建築が築き上げられるライブ感をお楽しみください。

設置部へ

大工さんの手で所定の位置まで運ばれた柱・梁の構造体。
クレーンを操作する職人さんと、設置部の職人さんが
無線で位置の確認を続けながら、慎重に設置部へと近付けて行きます。

慎重に・・

あとすこし!

そして、屋根のてっぺん部分を見つめながら、設置完了を告げる職人さん。

完了!

このマンサード型の屋根部材は、「オガールプラザ」全体で実に69本!
職人さんの手によって、一日に2本から3本ずつ
丁寧に一寸の狂いもなく設置され、ひとつの建築として築き上げられているのです。

多くの方の想いを受けて、懸命に成長を続ける「オガールプラザ」。
完成後も、愛情を持って、大切に育て続けていきたいですね。

〔担当:の〕

2012.02.16

マンサード屋根-前編-

官民複合施設「オガールプラザ」、中央棟、東棟、西棟の建方工事が終盤を迎え
建物の全体像がはっきりと見えるようになってきました。

町内の農村部に多く存在する牛舎のマンサード屋根を模した「オガールプラザ」の屋根。
今日は、この屋根がどのようにして組み立てられているかをご紹介します!

紫波町産材の木材は遠野の工場を経由し、オガール地区でマンサード型に形作られ
その部材は、ひとつひとつ巨大なクレーンで持ち上げられ、地上約13メートルの位置まで運ばれていきます。

屋根の部材

下の写真のように、先端部を大工さんがロープを引きながらゆっくりと静かに操り
所定の位置まで運んでいきます。

大工さんの手によって導かれる

写真から、屋根の部材の“存在感”がお分かり頂けるでしょうか。

ダイナミックであり、繊細に、美しく描かれるマンサードの輪郭。
安定感、安心感、懐かしさがあり、且つあたたかみも感じる-、
木材だからこそ、大工さんの技術だからこそ実現できる、
紫波の普遍的な親しみある新しい風景。

ダイナミックで繊細

2月26日(日)「オガールフォーラム」の午後の現場見学会では
この新しい風景を、デザイナーの皆さんと共に間近で見ながら
プロジェクトを支える全ての方が建築に込めたメッセージを感じることができます。
きっと誰もが、鼓動を感じるはず。
是非、ご参加ください。

屋根のお話は、次回へと続く・・!

〔担当:の〕